まつりごと(天神祭)
今日は大阪の天神祭。たまたま用事があったので、夕方、天神様に寄ってみました。
お囃子は、祇園祭りのレトロな雅さからは大分発展しており、鉦と甲高い太鼓は残っていますが、管楽器は省略され、腹に響く祭太鼓が追加されています。曲調も、アップテンポでフルトヴェングラーばりにテンポの変化をつける、要するにお祭りのお囃子になっています。
ちょうど、催太鼓が戻ってくるところで、ロープが張られて観客が両側に寄せられました。
太鼓の音がだんだん大きくなってきて、先導してきた世話役らしき方々が汗をふきふき境内に戻ってきます。カメラを構えていい場所を取ろうとしていたおじさんは奥に追いやられ、関係者らしき子供や女性などがだんだん前を占領していきます。
この場においては、ギャラリーには、「まつりごと」における市民権がないので、一切の発言権はありません。文句があるなら、自発的に「まつりりごと」に参加しなければならないわけですが、運営の不透明さ、指導者の自信に満ちた振る舞いのかっこよさと絶大な権力などが相まって、参加させてほしい、という意欲が否応なく掻き立てられます。
昨今の政治に対してクールで他人事みたいなのは、透明性が高まりすぎて正体が見えすぎているのと、リーダーが謝ってばかりで祭りの世話役のようなかっこよさが感じられないために、参加している一体感が持てないからなのかな、などと考えたりしてしまいました。
会社という組織では、その組織の中でそれぞれの役職で働き、祭りという別の組織では、まったく別のポジションで活躍する、といのは楽しいことで、そういう組織が重層的にたくさんある社会というのは、なんだかチャンスが多くて活力がある社会なのかな、などと考えたりしました。(なにしろ、しばらく身動きがとれませんでしたので。)
戻るのを渋っていたのか、なかなか境内に入ってこなかった太鼓が、やっと見えてきました。威勢のいい、お祭り、という感じの天神祭でした。
最後は、収まるところに納めて、挨拶があり、大阪締めで、無事、まつりごとは完結しました。
区切りがついたところで、薄暗くなってきて人があふれ始め、先日の祇園祭のような状態になってきたので、早々に退散しました。
同じ日、京都では、祇園祭の続きの還宮祭が行われており、そちらも見てきました。
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