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2012年10月19日 (金)

情熱都市

体育の日の連休、古都京都のエネルギーが爆発したような日で、そのパワーに圧倒され、なんだかへとへとになりました。

その1。運動会とお祭り
たいていの小学校では、地区の大運動会が開催されます。ぞろぞろと人が集まり、交通整理係も出て、かなり本格的です。
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町内会対抗運動会、というようなものは、衰退の一途だと思いますが、京都では、まだまだ活気があります。これも一度始まってしまうと、なかなかやめようとしない(やめさせてもらえない?)京都人の特徴の一つが原因なのでしょうか。
また、あちこちの神社で、神輿が練り歩くお祭りが開催されていました。
別に、平安時代からやっていたわけではなく、運動会はせいぜい昭和の時代から、神輿もそれ程古くはない風習なのでしょうが、さまざまな時代の行事が重層的に残っているのが京都の面白いところです。

その2 職人気質・客気質
ふとしたことから人気が出ると、たいへんな行列が常態化することがあります。
近所のおはぎ屋さん「今西軒」。
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何の変哲もない街角のおはぎ屋さんなのですが、以前からお使い物といえばここのおはぎだった地元の方は、いまさら別の店には移れないので頑張って並びます。ガイドを手にした観光客も名物を手に入れようと頑張って並びます。そして、お店の職人さんも、どんなに行列が伸びたって昔ながらのやり方をちっとも変えずに頑張っています。
出町の「ふたば」の豆大福とか、大丸の「仙太郎」のみなづきとか、作ってすぐがおいしくて保存のきかないものを扱う店が、手作り作りたてにこだわり大量生産に切り替えようとしたりせず、値段を吊り上げて調整しようとしたりもしないしない場合にこういうことになります。

その3 学生気質
「京都学生祭典」という何やら古式床しいというか、いかめしい名前の祭りが岡崎公園で開催されていました。
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4、5か所のステージで次々とダンスパフォーマンスが行われます。
たくさんの学生スタッフが、自転車を指定の駐輪場所に誘導したり、屋台の食器を回収してリユースに回したり、と大がかりな組織として動いています。学生の街京都の共同学園祭、といった趣向でしょうか。川原で熱心に練習していたグループは、この日が晴れ舞台だったのでしょうか。京都以外からも多くの学生を集めて非常にたくさんの大学があるだけに、京都の街は、元気な学生によって、街も活気づいています。

その4 衣装
さて、「学生祭典」では、控室になっているらしいホールからステージに向かう一団や、出番が終わって屋台を覗いている一団が、それぞれ、揃いの衣装で行き来しています。
振袖風だったり、新撰組風だったり、学生服や、ハワイアン、フラメンコ、果てはウェットスーツのサーファーだったり。
なんだか、衣装の概念が崩壊してしまいそうです。室町時代など、職業や身分ごとに特徴的な衣装を身にまとって行き来していた時代を彷彿とさせられます。
衣装といえば、観光地で舞妓さんや着物姿をよく見かけますが、よく見ると、貸衣装店に着付けてもらった、なんちゃって舞妓さん、浴衣美人、なことが大半です。
でも、一方で、昼の花街で本物の舞妓さんがお稽古に向かうのか、いそいそと通り過ぎたり、お茶会でもあるのか、御婦人が着物をびしっと慣れた風に着こなして信号待ちをしていたり、さらには、催しでもあるのか、和服姿の旦那衆が通りを気にしながら門前を出入りしていたり、というような情景も、京都では、よく見かけます。
さらには、通りすがりの異邦人の目には触れようもない祇園のお茶屋の奥の間などでは、家元や十何代当主とかといった、日本文明のフィクサーとか魔物とかのようなのが暗躍しているのかなあ、などとも想像したりします。そういうミスター日本文化みたいな方の目には、精一杯の家宝の一張羅で勝負している御婦人だって、なんちゃって振袖でダンスをしているのと大差ないのかもしれません。
いずれにしても、浴衣体験でも、新撰組半被でも、数十万円也の小紋の着物でも、値の付けようのない国宝級の装束でも、それぞれの文化として、許容され、同じ空間を共有できているというのには、日本中世界中から押し寄せるど素人・エイリアン達にまったく動じない、日本文化の総本山の底力を感じます。0
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こちらは、その祭典会場の岡崎の一郭にあるみやこメッセの中の伝統産業ふれあい館の舞妓さんが舞を舞うイベント。無料です。ややバブリーな感じもしますが、着物も帯びも帯止めもかんざしも伝統産業のなせる技。確かに舞妓さんは伝統産業の動体見本なのかもしれません。

町内の行事を維持し支えようとする御近所さんの連帯感、限られた時間内で京都を知りつくそうとする国内外からの観光客の情熱、学生さんのエネルギー、地元民同士のハイレベルな会合の緊張感、それらが重層的に渦を巻いている京都の秋の一日でした。

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