« 秋空の底には夏が残る | トップページ | 烏瓜と葛 »

2014年8月14日 (木)

「雲の中では何が起こっているのか」荒木健太郎

雲をつかもうとする話。
その雲の中で水蒸気が水滴や氷になり、雨や雪となって落ちてくるまでに、エアロゾルが形成され、水滴や氷粒が衝突や分裂を繰り返して成長する様子などを親しみやすく解説しています。ダウンバーストや、日本海寒帯気団収束帯による豪雪など、新しい知識にも触れられています。
空の雲を見て天気の変化を予想したり、低気圧や台風との距離感をはかったりするのが昔から好きでした。
以前読んだ本(「雲と風を読む」中村和郎)では、雲生成の原因は、空気が上昇するときの気温の垂直変化について乾燥断熱曲線と湿潤断熱曲線と状態曲線とで、大気の安定、不安定が説明されていました。それは、単純化されていたのでしょうが、分かりやすく、すっと理解できたのですが、実際には、この本で解説されているような複雑な経過をたどっているようです。
最近は、観測技術も進歩し、大分いろいろなことが分かるようになってきたのでしょう。数式などを学ばなければ完全には理解できないのでしょうが、最先端の雰囲気を味わうことができました。

|

« 秋空の底には夏が残る | トップページ | 烏瓜と葛 »

書評」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「雲の中では何が起こっているのか」荒木健太郎:

« 秋空の底には夏が残る | トップページ | 烏瓜と葛 »